株を買ったら、基本的には長期保有する。
毎日のように売買するつもりはない。
この場合、証券会社を選ぶときに「アプリが使いやすい」「高機能な取引ツールがある」といった違いまで比較する必要があるのでしょうか。
結論からいうと、長期保有が中心なら、デイトレ向けの注文機能や高機能チャートまで細かく比較する優先度は高くありません。
確認したいのは、
保有株の状況を簡単に確認できるか。
必要なときに迷わず売買できるか。
配当や資産状況を確認しやすいか。
自分が使う商品をアプリから扱えるか。
といった部分です。
証券会社には多機能なアプリやPC用取引ツールがありますが、その機能をほとんど使わないなら、機能数の多さだけで証券会社を選ぶ必要はありません。
長期保有と短期売買では必要なアプリ機能が違う
証券会社の取引アプリには、さまざまな機能があります。
たとえば、
リアルタイム株価。
板情報。
テクニカルチャート。
ニュース。
銘柄スクリーニング。
各種注文機能。
保有資産の確認。
などです。
頻繁に売買する人なら、注文速度やチャートの種類、板画面の見やすさが使い勝手に直結します。
一方、長期保有する人がアプリを開くのは、
株を買うとき。
保有株を確認するとき。
配当や損益を見るとき。
売却するとき。
などに限られることがあります。
同じ「株アプリ」でも、必要な機能はかなり違います。
長期保有なら高機能チャートを使わないこともある
証券会社は取引ツールの強みとして、高機能なチャートやテクニカル分析機能を紹介しています。
しかし、
一度買った株を数年保有する。
配当を受け取りながら持ち続ける。
という人なら、毎日チャートを細かく分析するとは限りません。
もちろん、購入価格を判断するときにチャートを見る人もいます。
ただ、
チャートの種類が多い証券会社。
テクニカル指標を細かく設定できる証券会社。
だから長期保有にも向いている、とは限りません。
自分が使わない機能なら、比較対象から外しても構いません。
注文スピードも優先度は下がりやすい
短期売買では、
すぐ注文できる。
板から発注できる。
注文画面までの操作が少ない。
といった使いやすさが重要になります。
株価が動いている数秒・数分の間に売買することがあるためです。
しかし長期保有なら、
今日の何時何分に買わなければならない
という場面は少なくなります。
年に数回しか注文しないのであれば、
注文まで1タップ少ない。
発注速度が速い。
といった違いを、証券会社選びの中心にする必要性は下がります。
むしろ保有資産を確認しやすいかを見る
長期保有する人にとっては、取引機能より資産管理のほうが使う機会が多くなることがあります。
確認したいのは、
保有銘柄。
取得価格。
現在価格。
評価損益。
配当。
NISA口座の保有状況。
などです。
楽天証券は2026年にiSPEEDを更新し、保有商品をお気に入り画面から確認しやすくする機能を追加しています。また、楽天証券には資産形成向けのiGrowもあり、NISAやiDeCoなどの資産管理を重視した設計になっています。(楽天証券)
SBI証券も国内株向けの「SBI証券 株アプリ」を提供し、長期保有タイプを含む幅広い投資家向けとしています。(SBI証券)
長期保有なら、こうした「保有した後の見やすさ」のほうを確認する意味があります。
アプリだけで必要な取引が完結するかは確認したい
高機能かどうかより重要なのが、
自分が使いたい取引をアプリからできるか
です。
証券会社によって、商品ごとにアプリが分かれていたり、一部取引がWebサイト側だけだったりします。
たとえばSBI証券では、国内株は「SBI証券 株アプリ」、投資信託は別の積立アプリなど、商品によって利用するアプリが分かれています。S株は国内株アプリから取引できます。(SBI証券)
楽天証券も、国内株を扱うiSPEEDと、投資信託や資産管理を中心とするiGrowでは役割が違います。(楽天証券)
そのため、
国内株だけ。
投資信託も使う。
1株投資もする。
米国株も買う。
といった自分の使い方で、必要な操作がしやすいかを見るほうが重要です。
長期保有でも1株投資をするなら別
「長期保有だからアプリは何でもいい」とならないケースがあります。
1株ずつ少額で買い増す場合です。
たとえば、
給料日に1株だけ買う。
株価が下がったときに数株追加する。
配当株を少しずつ増やす。
という使い方なら、取引頻度自体は高くなることがあります。
その場合は、
単元未満株をアプリから買えるか。
注文方法はどうなっているか。
保有株を確認しやすいか。
を確認したほうがよいでしょう。
「保有期間が長い」と「注文回数が少ない」は同じではありません。
配当株中心なら配当の確認しやすさも見る
長期保有の目的が配当の場合は、株価チャートより、
配当金。
配当履歴。
保有数量。
資産全体。
を確認しやすいほうが使いやすいことがあります。
毎日株価を見る必要はなくても、
今年いくら配当を受け取ったか。
保有株全体でどのくらいになっているか。
を定期的に確認したい人はいます。
そのため、アプリ比較をするなら、
テクニカル指標が20種類あるか
ではなく、
自分が長期保有中に何を見るのか
から逆算したほうがよいでしょう。
PC用の高機能取引ツールまで必要?
証券会社によっては、スマホアプリとは別にPC向けの高機能取引ツールがあります。
SBI証券にはHYPER SBI 2、楽天証券にはマーケットスピード IIがあります。SBI証券のHYPER SBI 2には詳細なスクリーニング機能などがあり、楽天証券のマーケットスピード IIも情報収集や多様な注文、RSSなどを備えています。(SBI証券)
しかし、
株は年に数回しか買わない。
買ったら数年持つ。
普段はスマホで資産を見るだけ。
という人なら、PC向け高機能ツールを使わない可能性があります。
それなら、
「どちらのPCツールが高機能か」
まで証券会社選びで比較する必要性は低くなります。
アプリを比較したほうがいい人
長期保有中心でも、次のような人はアプリを比較する意味があります。
- スマホだけで株取引を完結させたい
- 1株ずつ頻繁に買い増したい
- 保有資産を毎日確認する
- 株価アラートやニュースをよく使う
- 米国株など複数の商品も利用する
- PCをほとんど使わない
この場合、アプリは単なる補助機能ではなく、証券会社を利用するメイン画面になります。
操作性が合わないと、長期間使うほど不便を感じる可能性があります。
アプリを細かく比較しなくてもいい人
逆に、
株を買うのは年に数回。
基本的に売らず長期保有。
株価を毎日確認しない。
高度なチャート分析をしない。
注文は通常の現物取引だけ。
Webサイトからの操作でも困らない。
という人なら、アプリの細かな機能差を最優先にしなくてもよいでしょう。
主要ネット証券には国内株の注文や保有状況確認に使えるアプリ・Web取引環境が用意されています。SBI証券、楽天証券、松井証券はいずれもスマートフォンで国内株の情報確認や取引ができる環境を提供しています。(SBI証券)
この条件なら、
手数料。
NISA。
1株投資。
ポイント。
取扱商品。
など、自分が実際に使うサービスを先に比較したほうが差が出やすくなります。
アプリの評判だけで証券会社を決めない
「この証券会社のアプリは使いやすい」
という口コミもあります。
ただし、デイトレーダーと長期保有者では「使いやすい」の意味が違います。
短期売買する人なら、
板を見ながら素早く注文できる。
チャートを何枚も表示できる。
リアルタイム情報が豊富。
ことが評価につながります。
長期保有者なら、
資産状況がすぐ分かる。
余計な画面が少ない。
久しぶりに使っても注文方法に迷わない。
ほうが使いやすい場合があります。
アプリの総合評価だけでなく、自分が実際に使う機能を見る必要があります。
結論|長期保有なら高機能さより「必要な操作が簡単か」を見る
長期保有するだけなら、証券会社のアプリや取引ツールを細かく比較する優先度は高くありません。
特に、
高度なチャート。
板注文。
高速発注。
PC向け高機能ツール。
などは、使わない可能性があります。
一方で、
保有資産を見やすいか。
必要なときに簡単に売買できるか。
1株投資など自分が使う取引に対応しているか。
は確認しておきたいところです。
つまり、
「どの証券会社のアプリが一番高機能か」
ではなく、
「自分が長期保有する間に使う機能がそろっているか」
で判断します。
年に数回買って長く持つだけなら、アプリの細かな違いより、NISA・少額投資・手数料など、実際に差が出る条件を先に比較してもよいでしょう。
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出典
SBI証券|SBI証券 株アプリ、SBI証券|ツール・アプリ、楽天証券|ツール・アプリ、松井証券|日本株アプリ
この記事は、2026年8月時点の各証券会社の公開情報をもとに作成しています。
